AIを活用した授業づくりのポイント 中1数学教員のリアルな実践記

はじめに:なぜ今AIなのか

こんにちは。私は中学校1年生に数学を教えている教員です。皆さんも最近、職員室で「生成AI(文章や画像などを自動で作り出すAIのこと)って実際のところどうなの」という会話を耳にしませんか。ここ1〜2年でChatGPTやClaude(クロード)といった生成AIが一気に身近になり、教員の働き方改革とも相まって、教育現場でも活用の議論が始まっています。

私自身、最初は半信半疑でした。しかし試しに授業準備で使ってみたところ、想像以上の効果がありました。今回は同僚の先生に話しかけるつもりで、私が実際に取り組んでいる活用法と、そこで気づいた注意点を共有したいと思います。AIに興味はあるけれどまだ触れていない先生にとって、明日からの一歩のヒントになれば幸いです。

AIで何ができるか(具体例3つ)

1つ目は「あらかじめまとめノート」の自動生成です。私は数研出版の中学数学教科書に沿って、単元ごとに「問題」と「解答」をセットで自動生成してもらっています。AIに教科書の単元順に練習問題と解答を作成させ、それを冊子化して生徒に配布しています。たとえば「正の数・負の数」の単元なら、導入から応用まで段階的に問題が並ぶノートが完成します。生徒は予習段階で網羅的に内容を把握でき、知識の体系化(バラバラの内容を整理してつなげること)が進みました。

2つ目はプリント作成の自動化です。小テストや復習プリントの作成は、これまで1枚に1時間以上かかっていました。AIに「中1の方程式、難易度別に5問ずつ作ってください」と頼むと、たたき台が数分で完成します。私の場合は1時間かかっていた作業が15分ほどに短縮され、月に換算すると数時間の余裕が生まれました。その時間を生徒のノートチェックや教材研究にあてられるようになっています。

3つ目は授業発問の壁打ち相手としての活用です。「この単元で生徒がつまずきやすいポイントは何ですか」「導入で使える日常生活の具体例を3つ挙げてください」と尋ねると、自分の引き出しになかった視点が返ってきます。教材研究の質そのものが上がる感覚があり、これは思わぬ収穫でした。

実際に使ってみた感想

一番の変化は、生徒の予習量が増えたことです。「あらかじめまとめノート」によって自学自習しやすい教材が安定して提供できるようになり、授業中の理解度も底上げされました。教員側としても、定型的な作業から解放され、本来注力したい個別指導や授業設計に時間を割けるようになっています。

もちろん、AIが出してきた問題をそのまま配布できるわけではありません。私は必ず自分で全問解き直し、誤りや不適切な表現を直してから印刷しています。それでもゼロから作るより圧倒的に早いのは確かで、「下書きは任せて、仕上げは人がする」という分担がしっくりきています。

気をつけるべきポイント

最大の注意点は、答えの正確性を必ず教員自身で確認することです。生成AIは流暢に間違えます。とくに数学の証明や計算では、論理の飛躍や符号ミスが起こり得ます。「AIが書いたから正しい」と過信せず、必ず人の目で検算してから生徒に渡してください。一度、符号を間違えたまま印刷しかけてヒヤッとしたことがあります。

もう一つは、生徒の個人情報や成績データをAIに入力しないことです。サービスによっては入力内容が学習に使われる場合もあります。校内の情報セキュリティ規程を確認したうえで、入力する内容は「教科書の単元名」「問題の難易度」など一般的な情報にとどめましょう。

そして保護者への説明も大切です。「AIに授業を丸投げしている」と誤解されないよう、保護者会や学級通信で「教員が生徒の実態に合わせて教材を選び、必ず内容を確認したうえで使っています」とはっきり伝えると安心していただけます。私の学校でも、最初に方針を共有してからは前向きな反応をいただけるようになりました。

まとめ:まず何から始めるか

最初の一歩としておすすめしたいのは、来週使う1枚のプリントを作るところからです。いきなり大きな仕組みを目指すのではなく、「明日の小テストを5問だけAIに作ってもらう」くらいの小さな成功体験から始めると、AIの得意・不得意が肌でわかってきます。そこから少しずつ、まとめノートや発問の壁打ちへと広げていけば十分です。

AIは教員の代わりではなく、放課後の職員室にもう一人、気軽に相談できる同僚が増えるようなツールです。ぜひ気負わず、明日の授業準備から試してみてください。きっと、子どもと向き合う時間が少しだけ増えるはずです。

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